【書籍】中心のある家 建築家・阿部勤自邸の50年
Posted on 28th Nov 2022 Last Updated出版社からのコメント
411点の図面や写真等で辿る古びない家の軌跡
1974年に竣工し、50年目を迎える今も「毎日発見がある」という建築家・阿部勤さんの自邸〈中心のある家〉。設計者でもあり住まい手でもある阿部さんが、竣工時の原形を活かしながら、空間をつくり、手入れし、住まい続け、現在進行形で進化する名作住宅の“空間と時間”をまとめた一冊が、9月に刊行となります。
垂れ壁とベンチで囲うアプローチ、鳥の巣のような居心地の窓辺、立体ワンルームとしてのダイニング・キッチン・コージーコーナー、人が集うペニンシュラキッチン……おどろくほど多様な居心地をもつ住宅の全貌を、図面・スケッチ164点、撮り下ろし写真34点、記録写真などの関連資料213点とともに解き明かします。
幼少期やタイでの住経験、師である坂倉準三との思い出、家にあふれるお気に入りのものたち、プロトタイプとしての〈中心のある家〉の可能性と、この家にまつわるユニークなエピソードも豊富に収録しました。
写真家・藤塚光政さんが撮り下ろしてくださった巻頭グラビア「アベキン邸の一日」と、建築家・塚本由晴さんと阿部さんの長編対談も必見・必読です。
デザインはラボラトリーズの加藤賢策さんです。気持ちの良い・見やすい紙面に仕上げていただきました。
印刷・製本は山田写真製版所さんです。藤塚さんが神様と崇めるプリンティング・ディレクター、熊倉桂三さんが担当してくださいました。制作に5年も費やしてしまった分、ほんとうに多くの方にご尽力いただき、充実の紙面となりました。
e-hon、hontoやamazonで予約も開始しています。9月末から、書店さんにも並びはじめます。店頭で見かけたら、ぜひ、手に取ってみてください。
●9月の新刊
『中心のある家 建築家・阿部勤自邸の50年』 阿部勤 著 藤塚光政 写真
体 裁 A4変・140頁・定価 4000円+税
発行日 2022-09-25
装 丁 加藤賢策(LABORATORIES)
目 次
アベキン邸の一日 藤塚光政
対談│塚本由晴×阿部勤
1│着想
・住まいの履歴 1938-1974
・家を建てる:最初の設計案
・内と外の組み合わせ:タイでの経験
・中心の発見と二重の囲い:最終の設計案
2│空間構成
・まちの原風景
・十字路と4つの庭:配置計画と平面計画
・低い立ち姿:断面計画
・方形屋根と連続窓・壁の開口:エレベーション
・私の家の顔:十字路・ファサード
・垂れ壁とベンチで囲う:玄関・アプローチ
・階段と高窓:玄関ホール
・多視点の抜け:玄関ホール
・吹抜けとモノリス:1階側廊
・“空っぽ”な中心:1階 中心の空間
・二重の囲い:1階 中心の空間
・外的な内・内的な外:ヌック・テラス
・立体ワンルーム :ダイニング・キッチン・コージーコーナー
・機能的な動線 :キッチン・パントリー
・変化に富んだ居場所 :2階 階段・踊り場
・混構造の窓辺:2階 連続窓の空間
・鳥の巣のような安心感:2階 連続窓の空間
・770mmの高さがつくる「奥」性:2階 中心の空間
・二重の囲いから飛び出すサービス空間:2階 水まわり
・150mm厚シングル配筋の壁:構造・施工
3│暮らしの空間と時間
・1980:三人家族の日常と子どもの成長
・1995:多目的な一人暮らし
・2000:人とものの集う家:思い思いにくつろげる場所
・2010:つくりながら食べる、話す:ペニンシュラキッチン
・2030:これからの住みこなし
・変化と普遍:掲載誌1975-2022
・私のお気に入りのものたち
・集い、食べること
・一緒の時間:小さな社会を内包する
・緑に埋もれた私の家
・素材の手触り、光の陰影
・「素形」を探す
column:原形としての〈中心のある家〉
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おわりに:いつも発見がある家